『手ぶらで生きる』から学ぶミニマリストの5つの思考

手ぶらで生きるアイキャッチ画像 書評

この本は人気ブロガーミニマリストしぶさんが自身の経験を踏まえ、ミニマリストの生き方、考え方、その利点などを50の項目で紹介した本です。刊行は2018年5月です。

以前書店で見かけて気になっていたのですが、アマゾンで電子書籍版がセールになっていたので購入しました。

「必要最低限のモノ以外持たずシンプルに生きる」がミニマリズムの基本ですが、本書ではモノに限らず人間関係や時間、思考といった人生全般についてミニマリスト視点で語られます。

この本はミニマリズムのライフスタイル(大げさに言えば人生哲学)を紹介した本だと言えます。それでは見ていきましょう。

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『手ぶらで生きる。』はこんな人にオススメ

  • ミニマリストになりたい・興味がある人
  • ミニマリストの価値観を知りたい人
  • 生活習慣を変えてみたい人

『手ぶらで生きる。』ナナマツ的5つのポイント

本書は6つの章から成っています。

  • 暮らしを自由にする
  • 物を自由にする
  • 体を自由にする
  • 時間を自由にする
  • 思考を自由にする
  • 人間関係を自由にする

以上の章立てで私たち現代人が抱える様々なストレスから自由になるためのヒントが50項目挙げられています。

携帯を格安SIMにする、小さい部屋に住む、着る服を制服化するといった具体的な方法も多く紹介されていますが、1つ1つの行動は、「色々なものから自由になる」というミニマリズムの哲学に基づいています。

ここから私ナナマツがこの本を読んで特に印象に残ったポイント5選をご紹介します。自分の生活や人生に落とし込めそうなものというポイントで選んでいますのでぜひご参考になさってください。

①自分が1か月に必要な額を把握する

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しぶさんはミニマリストとして4畳半の部屋に住み、冷蔵庫・テレビを持たず、床に寝て、月7万円で生活されています。

一般の人からするとかなりストイックな生活をされていることが紹介されています。私たちがここまでやる必要があるかは別として「自分が1か月生活するのに必要な金額を把握する」のは全ての人に必要なことだと思います。

毎月かかる生活のコストをしっかりと把握することで「漠然としたお金の不安」から自由になることが出来ると言っています。

毎月の生活にいくらかかるか分かっていれば、毎月いくら稼げば良いかも自然と分かるいうことですね。しぶさんの場合はそれが7万円だったということです。

1か月にかかるお金を把握した上で、賢くお金を節約する「賢約」の姿勢と「これだけあれば満足できる」という指標を持つことが大切だとも述べています。

②本当に大切な1%のために99%をそぎ落とす

じぶさんはミニマリズムの目的を

「物を減らすことで迷いをなくし、大切なものに集中すること」

と言っています。また後の章でも

ミニマリストになることは、自分の「好き」を強調していく作業である。「好き」を選び取り、それ以外を排除することで、本来自分が打ち込むべきことに時間やお金を費やせる状況をつくり出すこと。
と述べています。ミニマリズムは単にモノを減らせばよいということではなく、「時間」「お金」といった有限のものを、どこに投入すれば自分の満足感や幸福感を得られるかをしっかりと見つめ直すことが大切です。

そういう意味で「物を減らす」や「ミニマリストになる」というのは目的ではなく、よりよく生きるための手段であると言えるでしょう。

いらない物事を減らしたことで生まれる余白で何をするのか、「やりたいこと」「目標」とセットになって初めてミニマリズムは真価を発揮するということです。

物の消費=時間の消費であると知る

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この章では世界一貧しい大統領として有名になったウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領の言葉を引用されます。

「根本的な問題は君が何かを買うとき、お金で買っているわけではないということさ。そのお金を得るために使った『時間』で買っているんだよ。請求書やクレジットカードローンなどを支払うために働く必要があるのなら、それは自由ではないんだ」

物を買う時に支払っているのは「お金」ではなく「時間」であるということです。時間とはすなわち命そのものです。

物を買うということはそのお金」を手に入れるのに使った「時間」と交換しているということになります。そう考えると、つまらないことにお金を使うことも減るのではないでしょうか。しぶさんも

「物の消費=時間の消費」という認識なら、「これは〇〇円だから、買ったらどれだけの時間を売ることになるんだろう。これは本当に自分の時間を切り売りしてでもほしいと思える物なのか?」と考えられるようになる。

と書いています。大げさと思うかもしれませんが、自分の命の時間と交換しても良いと思えるようなものに囲まれた生活であれば、おのずと生活の満足度も高くなると言えます。

一点豪華主義とコンフォート原則を守る

  • 「持ち物を少なく絞っているから、一つひとつにお金を多くまわせる」
  • 大切なのは「どこをケチって、どこにお金をつぎ込むか」というお金の使い方だ
  • 「必要な物には惜しみなくお金を使う、必要じゃない物にはいっさいお金を出さない。」

こうした言葉から分かる通り、しぶさんは量より質の考え方をしています。余計なことにお金を使わないからこそ、本当に必要だと自分が思う物事には一点集中でお金を惜しまずに使うことが出来ます。

こうした考え方は「緩急」・「選択と集中」という言葉でも表現できるでしょう。自分が本当に大切にしたいと思うものは何なのか、それを見つめ直すことも併せて大切になってくると思います。

しぶさんの場合はその基準を「毎日・長時間使う物」というように設定しています。自分の幸福度を高めてくれるお金の使い方を自分基準で考えてみてはいかがでしょうか。

物ではなく経験を資産にする

物を買っても満足感は一時的にしか得られないが、経験は自分の中に残り続けるから、物よりも経験にお金を使おうという考え方です。

心理学者による最新の研究結果を引用し「物より経験にお金を使うほうが満足度が高い」ということを述べています。

  • 物による幸福感は長続きしない。
  • 形のある「物」は誰かから奪われる可能性があるが、「経験」は奪われない。
  • 人は幸福感に慣れやすいから、物を手に入れもて「次はもっと上を」と欲望が増す可能性が高い。
  • 物の場合、グレードによって価格差がある分、つい他人と比較してしまう。

「自分が成し遂げたこと」ではなく「自分が持っているもの」で安易に承認欲求を満たそうとすることで、「他者との比較」に陥り、もっともっと良いものが欲しいと際限のない浪費に引き込まれてしまいます。

自分の中に残る経験を資産にすることで他人との比較から脱し、人生を豊かにすることを提案しています。

『手ぶらで生きる。』 まとめ

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以上がしぶさんの著書「手ぶらで生きる。」を読んでナナマツが特に印象に残ったポイント5選でした。

電子書籍化されていて入手もしやすいですし、2時間程度で読める文量なので読書習慣がない方でも難なく読めると思います。

その他にも参考になるミニマリストの考え方や生き方などが多数掲載されていますので、気になった方はぜひお手に取ってみてください。

皆さんもこちらの本を読んで、ミニマリズムなライフスタイルを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂きありがとうございました。